メタル・キッズ・アーミー ‐第一話‐ ♯1
※がっつり一ヶ月ぶりのブログ更新です(笑)!
おまけにラノベの新シリーズ!!
ま、もとはよそでやりはじめて頓挫しちゃったヤツなんですけど♪
とりあえず先に連載していたアトランティスの魔導士と共にどちらも並行してやっていきたいです♡
あと、前回キャラを公開した新作のラノベもできたらここでやっていきたいです♡♡
おおぬきたつや・著。
‐Metal×Kids×Army‐
『メタル・キッズ・アーミー』
‐第1話‐ ♯1
◇20××年・4月・13日(月)・快晴
千葉県 内海市 松山町 北ノ原
午後 2時45分
それは4月の穏やかな陽射しの降り注ぐ、ぽかぽかと暖かな一日。
普段通りの平穏にすぎゆくとある町の外れにて、人知れずはじまった。
千葉県 内海市―
千葉県の南房総地域、東京湾に広く面した人口およそ20万からなる比較的大きな街である。その最も外れ、内陸部側に位置する松山町からまたさらに郊外とな る、このまままっすぐ進めばやがて房総の丘陵地帯に出るという北ノ原の、濃い緑の生い茂る広大な平野部を舞台として、物語は幕を開ける…。
一面を広く緑に覆(おおわ)われる北ノ原の大地を、一直線に貫いて一本の太い線が、はるかに続いた。
それは上り下りが合わせて8車線もあるようなやたらと広い舗装路であるが、地元の街からやがては遠く県外へと続くこの高速道ばりに立派な幹線道路は、しかるにそこに肝心の車両の姿などがひとつも見当たらなかった。
ヘタな県道よりよっぽどマシな道がこれでは寂しい限りだが、今は代わりにこのど真ん中、息を弾ませながらにひた走るふたつのカゲが、ふたりの男子児童の姿があった…!
アスファルトで硬く塗り固められた幅広の公道は、今やそこをタッタと駆けるこのふたりの児童のあたかも専用路だ。
もとよりその少年たちにしたところで、この長い路(みち)を車が走るのを見た記憶は、さしてありはしない。
特に、一般の車両などは。
やがてひたすら前へ前へと突っ走る子供たちの内の一方、全力で先頭を駆け抜ける少年が、これを後から追っかけて来る影に振り返ってはそれは元気な声を発した。
「大ちゃんっ、はやくはやくうっ!」
澄んだ青空に、やんちゃな少年のボーイソプラノが高く響き渡る。
これにより、せかされる相手、『大ちゃん(ダイちゃん)』こと、天野 大地(7才)が、やけに先を急ぐ前の幼なじみへとやや息を切らしながらに返す。
「うーん、洋ちゃん、ちょっとまってよぉ!」
普段からおっとりとのんびりしたがりな性格の彼は、このいつもせっかちで何でもやりたがりな相棒の『洋ちゃん(ヨウちゃん)』こと、陸海 洋太(同じく七才)には何かと振り回されがちになる。
ちょうど、今がまさにそうだった。
息が苦しくて仕方がない大地は、また一度ちょっと待ってと頼むのだが、やはり先を行く洋ちゃん、待ってはくれなかった。
それどころかだ…!
「いいからっ、はやく行こうよっ、大ちゃんのおじいちゃん、ぼくらのこときっとまってるもん!」
逆にスパートをかける猪突猛進ぶりだ。
元気な小学生に後退の二文字はないものか。
おかげでふたりの差が一段と広がった。
「あーん、もう、洋ちゃんはやいーっ!」
そんな大きく音(ね)を上げながらに、仕方もなしで大地も走るスピードを上げる。
おおらかでとかく呑気(のんき)な性分ゆえ、駆けっこなどはさして得意な分野ではないが、それでもともだちに遅れまい懸命に走った。
何をそうまでして急ぐことがあるのかと傍目には思われるが、ダッダと勢いよく駆ける洋太はもはや1分1秒でも惜しいものらしい。
さっきからまったくにスピードが衰えない。
目の前で小さくなるばかりの背中に、大地はちょっと、泣きたくなった。
「ああーん! まってぇ!」
「はやくはやくうっ!!」
対して洋太はとてもご機嫌な様子だ。
このふたりはそれこそ物心つく幼少からの大の仲良しコンビであるが、現在はつい先日、共に小学校の二年に上がったばかりで、今日はその新学期も二週目の月曜、学校が終わってからの帰り道だった。
だが帰りとは言っても、自分たちの家とはこれがてんで逆方向へとふたりは駆けっていたものだが…。
今、彼らが闊歩(かっぽ)しているのは、実は町の外れも外れ、通常は一般の人間などが立ち入ったりはしないような特殊な区域である。
本来ならば、立入禁止にすら近い領域(エリア)だ。
※次回に続く…!