アトランティスの魔導士〈0〉 プロローグ ♯5
ガガーン…!
簡易アクセス解析によるアクセス数、0、ゼロ!?
某大手ブログあたりではユーザーのモチベーションアップのためにあえてアクセス数を何十倍(!?)も水増ししている(それでいいんですかね??)ところがあるとか言いますが、こちらはむしろ絶望的過ぎるくらいにシビアですね♪
ガチ感ハンパないです♡
もはやモチベーションもへったくれもないんですが、懲りずにやっちゃいます!
ちなみにこちらのラノベはまんま同じタイトルのオリジナルが、メディバンなる電子書籍サイト(メインは、マンガみたいですね?)にて公開を再開しました♪
縦書き、ルビ付き、こちらと同様に挿し絵付きで無料にて公開中です♡
プロローグ ♯5
◇
安らかな気分だった。
とても、暖かく。
ふわふわ、ふかふかと。
そう。
まるで、お空に浮かんだ綿雲(わたぐも)の上に身を委ねている。
そんな心地のよさだ。
ただ真上から容赦なく照りつけるお天道(てんとう)さまだけがやけに明るくて、もう顔のすぐ間近でこれでもかあっと、ひたすらに燃え盛る。
ギン・ギラ・ギンっ!
「んっ、んんっんっ…!」
つむった目を無理矢理にでもこじ開けるくらいの強引さだ。
こんな間断(かんだん)なく降りかかる白光(びゃっこう)に、やがてすっかり寝こけきっていた夢見心地から、もうじき自称・立派な10歳児となる少年は、いやいやながらにも現実へと引き戻された。
すると、その途端――。
どちらもひどいねぼけ眼(まなこ)が天井で輝く蛍光灯にその焦点合わせるや、たちまちギョッとなる。
気がつけば身体(からだ)にぼんとおっ被(かぶ)さるフトンごと、その小柄な半身をただちにガバリ! とまっすぐ起き上げてた。
反射的、ハトが豆鉄砲くらったびっくり眼(まなこ)のまま、辺りをキョロキョロ。
あわわっと大慌てで見回してしまう。
「…っ! まぶしっ、あれっ! ここどこだっ? おれどうしてっ…? あっ、じいちゃん!」
ひどい驚きの中にも、よくよく見たらばそこはいつもの見覚えのある景色だ。
それだから同じくぐるり巡らせた視界の中に入る、それはしごく見知った顔に、しばし呆気に取られながらもどうにかこの状況を飲み込めたとおぼしき寝坊助だった。
よってそのアトラは、ただいまの己のなしたるあんまりしどけないありさまに、しまった! とばかり束の間(つかのま)だけバツの悪い表情しながらである。
またすぐにもそれを持ち前の負けん気で打ち消して、むしろしてガッ! と牙(キバ)を剥(む)くのだ。
「なんだよっ、帰ったんならそういってくれたらいいじゃん! おれずっと待ちくたびれてたんだぞっ! それにさっ、お茶だってさ、とびっきりのあっついヤツ、わざわざよういもしてたのにっ!」
知らぬ間(ま)にすっぽりくるんで寝かしつけられていた、自分にはまだサイズの大きな来客用の布団(ふとん)からそそくさと抜け出す。
そこからすぐ右手でお互いを隔てる大きな黒い座卓のそのまた向こうっ側で、今やゆるりと身を落ち着ける相手へとけたたましく抗議を発した。
が。
しかるにでだ。
真顔でとかく冷めた目つきだったあちらは、それでいささか動じるでもありはしない。
いや。
むしろのこと。
その堂(どう)とした居住(いず)まい同様、落ち着き払った辛辣(しんらつ)なるお言葉を、ぴりりと皮肉混じりですかさずに突き返してくれる。
「―ふん、よう言うわ! くたびれた挙げ句、だらしもないことよだれたらして寝こけておったんじゃろうが。とんだ留守番小僧だわい。帰ってきて早々、くつろぐ間もなしでいらん世話を焼かせてくれおってからに? それにな、茶ならばもうたんといただいたぞ、そうじゃ。あのしっかりとした、でがらしをのっ!」
「ぶうううっ!」
「ふう、本来一番の学業を怠(おこた)り、あまつさえ家業すらをも意に介さずとは、まったくもって…! まあ、それはそれとしてだ、どうやらシュウが顔を出したようだの。あちらの様子から察するには――」
初めに居たはずの古ぼけた四畳半はがらりで様変(さまが)わりし、ここは今や青い畳を十うん枚ばかし敷きつめた、それなり余裕のこぎれいなお座敷だ。
そこにもっともらしくひとり背筋を伸ばして構えたる主は、ほっぺたぷうっと膨らますむくれっ面(つら)で座卓越しに相対するお子様とは、これまた丸きりに打って変わったさも風格と威厳のあるご老人だった。
その名を、ハイクと言う。
ちなみ漢字では、ひねりをきかせ五七五とか表記するのだが、それら似つかぬ音と字面(じづら)の結びつきのゆえん、若輩のアトラなどはまだそうはっきりとはわかりかねていた。
ともかくにぶすりと睨(にら)めっこ状態の小学生とはまさに孫と祖父くらいの歳(とし)の開きがあるだろう。
またそれを裏付ける当人たちのやんやと気兼ねないやりとりであって。
だからこの叱りつけるようなきつい眼差しの前にも、もはやで悪びれたそぶり一つとないやんちゃ盛りのアトラだ。
ばかりかこの上はいきなりすっとんきょうな声音でもって、好き勝手なものの言いぶちかます。
※次回に続く…!