某イラスト投稿サイトに投稿予定のキャラの下書きです♪
さて、このラクガキがどうなるのでしょう?
とりあえずお題は決まっていて、『ドラゴンライダー』となります♡
アダルト(?)カテゴリーのコト♪
ひさしぶりにはてブに舞い戻って来ました♡
こちらではコレと宣伝するつもりはないのですが、よそのブログではちゃっかりとアダルトカテゴリーのものをやらかしていたりします…!
ただおふざけ全開のなんちゃってBLだとかお下劣学園ファンタジーだとかがメインになるのですが、近頃はブログの運営、アフィリエイトに関して行き詰まったものを感じてしまい、ついにはホームページだなんてものに手をだしてしまいました♪
ただシロートなので何が何やらさっぱりなのですが、とりあえずはこのアダルトカテゴリーで経験を積んで、こちらのようなノーマルなものもメインに頑張っていきたいとは思っているのですが♡
ブログ版であらがあるところを修正、ないしこの挿し絵をアツくしていきたいのですが、いざやるとなると時間が…!!
なんかさっぱりですが、このなんちゃってBLの挿し絵の下書きです♪
『メタル・キッズ・アーミー』 ‐第1話‐ ♯8
‐Metal×Kids×Army‐
『メタル・キッズ・アーミー』
‐第1話‐ ♯8
エレベーターから一歩、外へと踏み出すと、そこにはただ細長い廊下がある。
どちらも左右へと向かってひたすら一直線に続いていた。
「さあ、ふたりとも、このわたしの後にしっかりと付いて来なさい…!」
四季博士はその廊下を右手へと向くと、またただちにみずからが先頭切って早足で歩いてゆく。
その後を残りの四人がぞろぞろと追いかけてゆくのだが、天井がやけに高いだけで他にはこれと何もない通路は、これがしばらくするとただの行き止まりへと突き当たった。
ただし行き止まりではあるが、その向かって右側の壁には、それはいかにも見てくれ頑丈そうな金属製の扉が、もはやこの視界も一杯、見上げるほどの巨大さで はめ込まれている。ノブなどが見当たらぬ真っ平らな一枚扉は、やけにどっしりとして人の力などでは到底開けられそうにもないシロモノだ。
そこでこの扉と正面で向かい合う博士、その白銀のメタリックな塗装面にみずからの姿をくっきりと映し出しながらも白衣の胸ポケットからおもむろに一枚、銀色したカードらしきものを取り出すのだった。
それをただちに扉の中央に備え付けられた電子制御パネルのカード挿入口へと当てて飲み込ませる…!
これを後ろからふたりの小学生たちは目を輝かせて見つめていたものだが、そのまた後ろのふたりの兄妹たちは打って変わったひどく白けた目つきで見つめることとなる。
のんびりとおのれの背後に立つ兄がかすかにその肩をすくめるのが、目の前の金属扉が鏡代わりとなってそれとわかる妹だ。
「個人の生体認証が面倒とか言って、ちゃちなカードロックとは、今時にゃえらくアナログなこったよな…!」
「…ええ、でもこれって大ちゃんたちが出入りする都合もあるんでしょう? 部外者でしかもただの小学生を正式な職員として登録なんてできない都合、いないはずの人間のデータはセキュリティにプログラムできないものね」
「嘘も方便、苦肉の策ってヤツか? つうてもあのカード自体はこの所内ならどこでも通用する万能キーの役目も果たしちまうんだから、無くしたりしいなように首から吊(つる)しとかないとな! 鍵っ子よろしく♡」
「ええ、まあ…でも今時いるの? それって?」
背後でごにょごにょとやっている内に、真顔の博士の手もとには短い電子音と共に銀色のカードが吐き出される。
続けて重たく硬質な金属音が響くとドアのロックが外され、分厚く強固な一枚扉はひとりでにゆっくりとスライドして開かれていった。
固く閉ざされていた秘密の空間がその入り口をがっぽりと開けてくれるのを、そわそわして見る洋太や大地などはさも珍しげにしてよりいっそうにキラキラと瞳を輝かせる。
「わあっわあっ、なんかすっごい、かっこいい!」
「うん。そだね!」
互いにいつになくテンションが高いのをそれと意識し合っていた。
「ここだ。この中にある。それでは、入りなさい…!」
博士はまずみずからが一歩、二歩と踏み込んでから、大地と洋太を手招きした。
これにふたりもただちに身を乗り出す。
が…!
それで入ろうとした途端、その内側からやたらな気配と大きな騒音がわんわんとこだましてくるのに、反射的にびくりとした戸惑いを見せる。
互いに目を見合わせて、その場に立ち往生してしまう。
扉を抜けたすぐ先にこの新たな音の結界を体感する。
それはとてつもない雑音、巨大な騒音の音圧だった。
「ははっ、ほら、いいから大丈夫だよっ!」
春志がそんなたじろぐ小学生たちの背中を背後から強引に押し出した。
あっと思う間にまんまと中へと入れられる。
「あっ…!?」
しかしそこに踏み入ればまたなおのこと、余計に耳をつんざくような轟音がひっきりなしにだ。ガンガンガンガン!! とこの鼓膜と脳天を直撃するのに、ふたりは思わず両手でみずからの耳をふさいで目をつむってしまう。
もはややむをえない反射行動だ。
緊張してグッと身体を強張(こわば)らせた。
「あらあら…! ねえ、ふたりともほんとにだいじょうぶ? そう確かにここはうるさすぎるかも知れないわね。だったら早くこの下へと下りましょう! 地下フロアならもうちょっと落ち着いて話せるはずだわ」
後から続いてきた夏香の声がかすかに耳に届く。
あいにくほとんど聞き取れなかったが。
ともあれふたりは両手できつく耳を押さえたままに、そこからおそるおそるでこのあたりを見回すのだ。
だが果たしてそれにより目の当たりにした光景には、さしものやんちゃな小学生たちもはじめただただ唖然となってしまった…!
「……!!」
※ひさしぶりに描いたら、主人公の小学生の描き方がわからなくなっていました…!
あちゃあ、そろそろちゃんとしたキャラのデザインを決めておかないといけないと痛感(笑)!!
『メタル・キッズ・アーミー』 ‐第1話‐ ♯7
‐Metal×Kids×Army‐
『メタル・キッズ・アーミー』
‐第1話‐ ♯7
「まあな…はは! たぶん、驚くぞ、ふたりとも、な!」
「?」
どこか口もとのにやけた、何やらたぶんに含むところがあるような物言いだが、さっぱりわからぬ小学生はどちらも不思議に見張ったふたつの瞳を見合せるばかりだ。
そんな彼らに、また春志がにやけた視線でもっていずこか遠くの方を示す。
「おっ…ほら、来たぞ? おまえたちがお待ちかねの人物のご到着、だ!」
「ああ、本当、噂(うわさ)をすれば…ね!」
夏香もまた小さなため息つきながら、このC・Rのまた一方の通用口から現れては急ぎ足でこちらに向かってくる、あるひとりの白衣姿の男性を見やる。
「…おお! 大地に洋太、もう来ていたのか。そうかそうか、偉いぞ、ふたりとも、このおじいちゃんの言うことをきちんと聞いていたのだな!」
などと言いつつもこっちにつかつかと歩み寄るのは、やせ形で白髪の目立つ髪を短くまとめた初老の紳士だった。
その見かけ的には。
銀縁(ぎんぶち)のメガネにやや神経質できまじめそうな真顔が、もはやいかにも科学者らしい雰囲気を醸(かも)しているが、それもそのはず――。
何を隠そうこの人物こそが、うわさの研究所所長、にしてふたりの小学生(厳密には、大地の)のおじいちゃんたる、四季博士、そのひとなのである。
確かもう還暦などはとっくに過ぎていたはずだが、すこぶる元気な様子で羽織った白衣で風を切りながら実に颯爽(さっそう)と闊歩(かっぽ)している。
靴音も高く響かせては四人の前に立つのだった。
この博士は普段は至って厳格な態度と傍(はた)から見て冷血さを感じさせるくらいに醒(さ)めた表情でいるのだが、さすがにかわいい孫たちの前ではその険しい顔つきを幾分かは和らげることとなる。
「よしよし、ふたりとも良く来たな! おじいちゃんは嬉しいぞ」
「うん! ぼくらガッコーからすぐ走ってきたもん! そんでそんで、今日はなにしてあそぶのっ?」
裏では何を考えているのやら、白衣を着た好好爺(こうこうや)のしたり顔に、無邪気な洋太がやんちゃな笑顔で応じる。
「おじいちゃん、ぼくたちに見せたいモノって、なあにー?」
おっとりした大地もそう聞くのに、四季博士は平時では考えられないくらいのにこやかな笑みをその顔に湛(たた)えながらに、言った。
「うん。いいものだよ、とてもな…! そうだ、ふたりとも必ずや喜ぶことだろう。ついてはつい今しがた、大体のところでこの準備が完了したので、もうすぐにでも見せてやれるぞ。それでは、さっそく見てみるかな?」
「うんっ、みたいみたいっ!!」
はっきりそれとは言わずにややもったいつけた言いように、興味をそそられるふたりは大きくこの頭をうなずかせる。
それには博士もしごく満足げにうなずきつつにだ。
さっさとみずからの踵(きびす)を返してはお子様たちにもこれについてくるように促す。
「うむ。それではただちに参るとしよう。実を言うとこの下なのだが…ああ、それと当然だが夏香と春志、お前達も一緒に来るように…!」
満面の笑みから瞬時に普段の無表情(ポーカーフェイス)に切り替えて、おのれの娘と息子に指示もする。
「へいへい…」
とりあえず了解した春志がだるそうにして椅子から立ち上がるが、これに厳格な父親前とした口調で博士からはクギを指されることとなる。
本人は若干、その肩をすくませるのみだが。
「…春志よ、もう分かってはいると思うが、今日は記念すべき特別な日なのだぞ? お前もそんなだらしなくしていないで、きっちりとみずからの仕事をこなすように! もちろん、夏香もだ…!」
「はは、りょーかい…!」
「うむ。それでは――」
四季博士はふたりの児童を従えてエレベーターホールへと向かう。
その後をふたりの兄妹も追いかけるのだが、第二研究棟をこの最上階から一気に2階へと降りるエレベーターの中で、内心で思うところが多々ある夏香は父に向けて聞いた。
「…ねえ、父さん。ずいぶんとはりきっているようだけど、とうとうあの無茶な計画を実行に移すの? でもわたし、とっても心配だわ。くれぐれも無理なことは、初回から無謀なことはしないわよ、ね?」
控えめな口調でも強く念を押すかにしたその実の娘の気がかりそうな言葉である。だがこれにも博士は至って大まじめな面を向けるのだ。
「ん、無茶とは何だ? ましてやこの父のすることに、無謀だなどとは…! 案ずることなどありはしない。それよりも夏香、ここでは父さんなどではなく、博士、もしくは所長と呼ぶようにつねづね言ってあるだろう?」
「…………」
夏香は答えない。
代わりにこの視線をつと逸らせつつ、ひどいしかめっ面で内心の思いを毒づくのだった。
「…まったく、じぶんは何かと父親面しておいて、何が博士、よ? 理論いたって無茶苦茶なクセに! …あっ、いや、なんでもないわ!」
「?」
ちょっと声に出ていたので、すぐ側にいた大地がこれを不思議そうに見上げることとなる。
その目線をややバツの悪い苦笑いで受け流すと、再び険しい目つきとなっておのれの父親、四季博士の平然とした面持ちを睨む彼女だ。
大体はいかにもまともそうなこの父だが、しかしその見た目とこの中身(特に、頭の…!)がまるで一致しないことを、娘の夏香はとっくの昔に承知していた。
その見た目真剣な科学者面に、だが決して騙(だま)されてはいけないのだ。
そう、もうたった今からでも何を言い出すかわかったものではないのである。
この親父は…!
彼女はふたたび幾分か身構えるようにして、博士へと向き直った。
「まあでもとにかく、この大ちゃんや洋ちゃんをオモチャにして遊ぶようなことは、人道的にも決して良くないんだし、迷惑なんだから、やめてよね!」
ふたたび今度はしごくきっぱりと念を押してくれるのに、対する博士はその顔つきをこの娘と同様、ムッとしかめさせる。
「何を人聞きの悪い…! 大丈夫だ。ちゃんと考えている。着いたぞ!」
逆にまたきっぱりと断言しつつも目の前のドアが開いたらすぐさまにだ。
博士は洋太と大地を引き連れてさっさと娘の前らか姿を消し去ってしまう。
「まったくもう…何が、大丈夫なのよ? そもそも父さん、あなたは普段から考えてることそれ自体が危なっかしいんですからね!」
精一杯の苦言も遠ざかる気配に届いたかどうか?
それでこれから先を考えると頭が痛くなる思いで一杯の夏香は、困り果てたような視線をみずからの兄へと向けた。
「ま、なるようにしかならんだろ? あのオヤジさまに関しては、な…!」
だがただ苦い笑いを満面に浮かべる春志は、やはりおのれの肩をどちらもわずかにすくめてみせるのみだったが…。
※次回に続く…!
クロフク・主人公・クロのイメージ♪
今イチオシの自作のラノベ、近頃はさっぱり更新が滞っているのですが、よそでもぶち上げている都合、だんだんとブレやズレが出てきました♪
そこらへんを調整すべく、一番後出しのライブドアブログの記事のコピペをさせていただきます。
おんなじネタを元に全部のブログで違った記事を更新するのはぶっちゃけ効率が悪いんですよね♪
ま、何はともあれ自作のデブチン軍団ラノベのクロフク、この主人公のイメージをば!
とにかくでかいデブキャラがバトルを繰り広げるのですが、ざっくばらんに言ってしまえば、相撲取りのハイスピードなバトルアクションサスペンス、みたいなものなのでしょうか♡
これまでノリで描いていた挿し絵のキャラもそれなりイメージをつけていくべく、これとはっきりした絵面をつくりはじめています。
今さらなんですけど♪
一番はじめのアウトラインですね!
とりあえず相撲取りのそれをイメージしているのですが、こんなもんでしょうか? それなり筋肉質ながっちりおデブって??
ま、参考程度のラインですね♪
上着を脱いだイメージ…なんでしょうか?
とどのつまりでこんなもんでしょうか?
デブのフォーマルのクロフク(黒服)姿ってのは??
なんか顔つきが某お笑い芸人のデブのツッコミ(ブラック〇ヨネーズのこ〇ぎみたいな?)に寄ってるみたいで不本意なのですが、他のイメージも参考として載せておきます♪
※第一話の挿し絵のサングラスなしの素顔バージョンです♡
この表情は現実のテキスト中の挿し絵としてはサングラスでほぼ隠れてしまうのですが、作者的にはそれなり気に入っています♪
基本はニヒルなポーカーフェイスのキャラなんですけどね!
唯一デブキャラじゃないヒロインを含めて、他のキャラも順次にこのイメージを公開していきたいです♡♡
デブキャラのイメージにつき、ご意見ご指摘などありましたらありがたくちょうだいしたいです♪
それでは、また後ほど…!
クロフク*プレリュード*第四話
クロフク
*プレリュード*
第四話
予備能力、発動…!
その瞬間、すべての時間が止まった――。
またその直後、すべての事態が一変していた…!!
悲鳴のひとつと上げることなく忽然(こつぜん)とその姿を消した、みずからのパートナー、ルナの気配を求めて虚空を呆然と見つめるクロフクだ。
一瞬、この目の端(はし)でかすかに捉えたのは、助けを求めることもできずにただひたすらな驚きに見開かれた大粒の瞳、だったものか…?
「くっ…これは!?」
「へっ…!!」
みずからの正面へとサングラス越しの厳しい目線をやると、そこにはこれもまたただひとりその場に残っていた赤毛のヤクザ、もとい、クロフクが、ニマリ…!
その表情にしてやったりと言わんばかりの笑みを色濃く浮かべる。
もうひとり、このすぐ隣りにいたはずのどこか存在感の希薄な相棒は、今はその跡形もなくやはり忽然とこの姿を消し去っていた。
とは言えどもサイズとしてはかなりいかつい肥満体の黒服男だ。
まるで手品のようだが、この異常事態、その原因のありかはもはや明らかだった。
消えてしまったみずからのパートナーの存在もまたおなじくして…!
「ゆくぜっ! 相棒!!」
「…!」
やや前のめり気味のぬかりのないファイティングポーズで闘いの始まりを告げる日焼け面(づら)のクロフクに、対照的な白いもち肌のクロフクが無言で応じる。
それは阿吽の呼吸(あうん の こきゅう)とでも言ったものか?
赤毛の男が大股でゆっくりと踏み出した利き足が地面に付くかいなか、およそ不意のタイミングで、白い影がそれまでののほほんとした態度からは想像すらつかない劇的な行動に打って出るのだ!
〝予備能力〟、発動!!
「んんっ…――フラッシュ・ダッシュ――!!」
「むっ…逃げろっ、ルナ!」
「えっ、クロ? きゃっ、なにっ…あ!?」
正面でやる気もまんまんのでかい殺気を放ってにじり寄る赤毛に、この白いデブまでがただならぬ違和感をその身にまとわせるのを本能的に察知!
これを即座に危険と断じて傍らのパートナー(ルナ)をその場から避難させるべく華奢な細身を突き飛ばした刹那、ただ一瞬この目を離したスキに、無表情なクロフクはでかい図体をフッと空気の中に溶け込ませる…。
…消えた!?
衝撃が走る。
音と気配は後からこの身の周りに襲来したが、そちらに対応すべく反応しかけた身体がただちに真正面からの殺気に射すくめられる!
結果、反応が遅れた。
おまけ相手の動きは目で追えるどころかまるで瞬間移動のそれだ。
このすぐ背後に出現したと覚しき気配はまた直後には左手、突き飛ばしたはずのルナをまんまとかっさらって目の前から三度(みたび)の消滅…!
もとい、正面に立ちはだかるクロフクの今やはるか背後を遁走(とんそう)!?
手持ちの飛道具で対応可能な有効射程を瞬く間(またたく ま)にと抜き去っていく。
いいや、もとよりこの間に立ちはだかる、あからさまな殺気を立ち上らせるクロフクがそれを許さなかった。
やられた…!
内心で素直に認めて、かすかな舌打ちが口の端から漏れるクロだ。
今はただ無言で正面の同業者、今は商売敵となるクロフクと睨み合う。
日焼けした赤毛の男はその口もとの笑みを嫌味なほどに濃くゆがめる。
冷たい沈黙が場を満たした――。
※次回に続く…!
『メタル・キッズ・アーミー』 ‐第1話‐ ♯6
‐Metal×Kids×Army‐
『メタル・キッズ・アーミー』
‐第1話‐ ♯6
およそ小学生などにはふさわしくもないメカニカルな雰囲気のここは、俗に『C・R』、コントロール・ルームの名称で呼ばれるこの最上階でも最大規模のフロアだ。
その名のとおりで大型管制・統御室なのだが、現時点ではまだこれと言った運用はされていない。人影もまばらで、今のところはこのごく一部が試験的に稼働しているのみだった。
つまりはこの『第二特殊研究棟』、ひと呼んで『マル(M・A・L=Metal・Armor・Laboratory)』自体がまだ新しい施設なのであり、このコントロール・ルーム全体が本格的に動き出すのはもう少し先のこととなる予定だという。
そしてその手前側、各種無数のモニターと計器らしきで埋め尽くされた大型の操作盤、子供からすればそれこそ機械の壁と向き合っているあるひとりの若い男へと、洋太は迷わずまっすぐに走り寄る。
「ヤッホー、はるしにいちゃんっ!」
そう元気に呼びかけるに、それまで楽な姿勢で椅子にもたれて適当に手もとのキーボードを叩いていた男は、その顔をつとみずからの真横へと巡らせる。
それでよく見知った小学生のランドセル姿を見かけると、軽く右手を上げながらに応えるのだった。
「…おう! なんだ、早かったなあ、おまけにやる気まんまんじゃないか? あ、でもうちの親父さまはまだこっちにゃ来ちゃいないぞ?」
ワンパク小僧に、はるし、と呼ばれたこの彼もまた四季博士の実の子息で、夏香にしてみれば三つ違いの兄となる。
ちなみ、漢字にすれば、『春志』となった。
背丈はまあまあ高いほうだし、研究所のアイドル的存在となる才色兼備の夏香の兄というだけあって、良く見ればこの顔も体つきもそれなりスマートなのだが、いかんせん日頃からやたらとお気楽で無責任な態度を通しているせいだろうか、あまりパッとした印象を与えない。
言えば、可も無く、不可も無く、と言ったものか?
この春志という男は。
しかしすこぶるお気楽で陽気な性格が甥(おい)の大地や洋太には好かれていたし、当の本人もそれでよしと楽に構えているのだからいいのかも知れないが、妹からしてみればもっとしっかりしてほしいと小言のひとつもいいたくはなった。
別段、その能力がないというわけではないのだから。
とかく性格のはきはきとして何事にも前向きな彼女にしてみれば、やれば出来るクセにいっつもいい加減でその場を濁そうとするこの兄には、呆れるというより何かしらとても歯がゆいような感情を抱いてしまう。
時にはイラつきさえした。
ただしこの彼女が何を言ったところで、こののんびりぐうたらな兄、春志はいつでもどこでも持ち前のマイペースを押し通すのだろうが…!
ちなみ、このふたりの若い兄妹は、ここの正規の職員ではないのだが、父親からの遺伝か、生まれつき機械的・科学的方面にめっぽう強くあり、よって今は助手としてその手伝いを暇(ひま)がてら小遣い稼ぎのバイトがてらにこなしているのであった。
少なくともその身に白衣なり専用のユニフォームなりを着用しているその他のスタッフ、研究職員たちと比べると、どちらもまるっきりに普段着姿のこのふたり ではあったが、夏香にしてみれば何も知らない小学生たちを使って良からぬコトをやり出しかねないここの所長、実の父の監視という意味合いも、少なからずや あったのらしい。
一方の春志としては、逆にこの父のしでかすことが面白そうだからだなんて不謹慎ここに極まる理由がその大半を占めていたが…!
「えーっ、まだ来てないのー?」
洋太がややがっかり気味に聞き返すのに、春志は実に適当な返事を返す。
「ああ、今んとこはな? 今日は何やら朝からそこらじゅうを駆けずり回ってるみたいだからよ、あの親父は! うんでもまあ、その内にゃやって来るだろ? おまえらをここに呼び立てた張本人さまなんだから…!」
「…そうね。今ごろはきっと、この下のハンガー・デッキ、整備区画にでもいるんじゃないのかしら?」
後から大地を伴ってやって来る夏香の相槌(あいづち)に、その隣りの大地が言った。
「でもおじいちゃん、今日はぼくたちに見せたいものがあるから、なるべくはやくに来なさいって…?」
「ああ、アレだろ…!」
それに合点したさまの春志は椅子の背もたれに身体を伸ばして仰向けにした苦笑い気味の顔を、この視線を意味ありげに妹へと送る。
するとこれには夏香も何やら微妙な面持ちとなって、うなずいた。
「そうね。でも、本気なのかしら、父さん? わたし、やっぱりまだ無理だと思うんだけど…?」
「う~ん、まあなぁ? いや、つーてもよ、あそこまでガチでやっておいて今さら冗談もないもんだろうさ? 特にあの親父の突き抜けた性格からするとだな! それっこそがまるっきりの大まじめなんだろうぜ」
「ああ、そうよねぇ…! 心配だわ」
いささか呆れたふうな兄貴の言葉にあって、この彼女もついにはため息混じりとなって、困惑気味な視線を目の前のふたりの児童たちへと注ぐ。
「なにがぁ?」
そのどこかおかしな雰囲気に、洋太も大地もきょとんとしてふたりの大人たちを見上げた。
すると視線を天井へと上げてクックと苦い笑いを発しつつ、この春志はまた言うのだ。
「まあな…はは! たぶん、驚くぞ、ふたりとも、な!」
「?」
口もとのにやけた含むところがある物言いだが、さっぱりわからぬ小学生はどちらも不思議に見張ったふたつの瞳を見合せるばかりだ。
そんな彼らに、また春志がにやけた視線でもっていずこか遠くの方を示す。
「おっ…ほら、来たぞ? おまえたちがお待ちかねの人物のご到着、だ!」
「ああ、本当、噂(うわさ)をすれば…ね!」
※次回に続く…!